【傾聴のとびら】~人の話を聴く時に一番大切にすべきことって何?~
人の話を「聴く技術」を磨くだけで世界は変わる!
今このブログを見てくださっている方は日常的に人の話をどれくらい聞くようにしていますか?「いや~いつも聞いてあげているよ。」「あんな奴の話は信用できないからもう聞きたくない。」「こんだけ伝えているのに全然わたしの話なんか全然聞いているように思えない」…等々。
ちゃんと相手の話を聞いていないと自分が損をするばかりか、仕舞いにはトラブルにさえ発展しかねません。今日は相手の話を「聴く技術」についてのお話です。
人の話を「聴く技術」を磨くだけで世界が変わるとはどういうことでしょうか?
そもそも、そんなことだけで世の中が変わったように感じるのでしょうか?
結論から言いますと「あります!」
それは相手の話を積極的に聴く、「傾聴の技法」です。
「な~んだ、傾聴か。聞いたことあるよ!要するに相手の話をちゃんと聞けってことだろ!?」という声も聞こえてきそうですね。
まあ~簡単に言うとそういうことです(笑)。
ただし、傾聴には一定の技術やルールがあり、しかもそれをただ真似をするだけでは会得できるような簡単なものでもありません。
今日は傾聴の基本姿勢からお話しします。
ー目次ー
普段、私たちはホントに相手の話を聴いているのだろうか?
わたしたちは通常の生活を送っている限り、毎日誰かしらと会話やコミュニケーションを行っています。また、人間は会話やコミュニケーションを取れば取るほど、親密になり仲良くなれると信じています。
実際はそういったことが多いのですが、時々一生懸命に伝えているのに全然伝わっていなかったり、話をすればするほど、気持ちが離れていくように感じたりすることだってあります。なぜでしょうか?これには主に3つの理由があります。
- 相手の話の「意図」がくみ取れていない。
- 相手の話に「共感」できていない。
- 相手に自分が大切な人間として扱われていると思われていない。
では、どうすれば人の話を「聴く」ことができるのでしょうか?
「言葉の奥に隠されたメッセージ=相手の感情」を読み解く
そもそも人の話を聞く時に大切なのは、相手が話している内容を文字通りに理解することよりも相手の気持ちや感情をわかることが重要です。今すごく悩んでいる人や強い孤独感などに苛まれている人などには特に大切です。
話をする相手が学校などの勉強をする場やビジネスの現場などなら
「大化の改新は645年に起こりました」
「わが社は今期から新規事業に参入します。それは◯◯です」
といった、その言葉のもつ「意味」が重要ですが、プライベートな友人や家族などとの関係ではその言葉のもつもう一つの側面である「感情」が大切になってきます。
例えば、親と子であれば、
「早く勉強しなさい!」
「うるせーんだよ!」
といった会話、
恋人同士だったら、
「前の服の方が似合っていたのに、なんで今日それ?」
「はぁ~!?」
といった(自分にとっては相手のためを思って言ったつもりの…)お互いの発言が、相手を傷つけてしまい、思わぬトラブルを招いてしまうことも多々あります。
これは相手の言葉のもつ2つの側面、「その言葉がもつ客観的事実=意味情報」と「その言葉の隠された意図=感情情報」の双方の理解不足が原因と考えられます。
前述の例でしたら、「早く勉強しなさい!」というのは文字通り、「今すぐに勉強をしろ」という意味と「勉強をして立派に成長してちゃんとした社会人になってほしい」といったメッセージが含まれているとも考えられ、「前の服の方が似合っていたのに…」でしたら「自分も気に入っていて、みんなも褒めていたのに、なんで?あの服を着ていた君のセンスはホント最高なのに!」
といったメッセージが含まれている可能性が高いかもしれません。
相手が話す内容そのものとともに、「言葉の奥に隠されたメッセージ=相手の感情」を読み解くのが相手の話を「聴く」ことであり、人の話を聴く大きなポイントです。
相手の気持ちに心を寄せて、おもいを共感する
相手の「感情」が理解出来たら、次はそれをあたかも自分のものとして体験する「共感」が重要になってきます。
たいがい人は話をしている時、相手に対して自分の「おもい」をわかってほしいと願っています。
1の例文でしたら、相手が話した言葉の「意味」に隠された「感情」を表した
「立派に成長してほしい」
「君は最高だ!」
といったメッセージに、例えば、
「あと30分だけ待って。友達とラインしてから必ずやるから」
「ありがとう!君はやっぱりセンスいいだね。んじゃ、今度一緒に服選ぶの付き合って!」
といったメッセージを相手に返すのはいかがでしょうか。
これはほんの1例なので、読者の方ならもっと素敵なメッセージを返すことでしょう。
相手の気持ちに「共感」する姿勢を言葉と自分のしぐさや態度で伝えること(これを非言語的コミュニケーションといいます)が非常に重要です。悩んでいる方や寂しさを抱えている方にはなおさらです。
また、よく「同感」や「同情」と混同されますが厳密に言うと違います。
例えば相手が
「死にたい」と話した時に、
「そうですか、だったらいい方法を…」といって自殺の方法を教えるのではなく、
あくまでも、相手が「死にたい」と話さずにはいられない追い詰められたこころの状況を受け留め、相手の気持ちに心を寄せてそのおもいを深く共有し、自分の心や体(しぐさや表情といった態度)を通して相手におもいを伝える。それが「共感」です。
ビジネスでのやりとりや学校の授業内容の伝達と理解などといった「意味情報」が重要な場合は別として、人間がコミュニケーションをする場面では大概「感情情報」の方が重要になっています。
相手の気持ちを読み間違えないで、しっかり受け止めて、自分の気持ちを伝えることができれば多くのトラブルがなくなります。
相手の気持ちにこころを寄せて、自分のこころとからだを使いおもいを伝えること「共感する」ことが人の話を聴くことに欠かすことはできません。
自分自身を大切な人間として扱う
「聴く」ことの技術で大切なのは、相手のみならず自分を人として大切に扱うことです。
アメリカの有名な臨床心理学者のカール・ロジャースは傾聴する時に大切な3つの原則があるといいました。
それは、
- 受容⇒人の話を(まるごと)受け止める。
- 共感⇒人の話を(あたかも自分のことのように)受け止める。
- 一致⇒人の話を聴く時は自分の気持ちも正直に受け止める。自己一致ともいう。
です(この3つの原則は奥が深いので、とてもざっくりした言い方になっております)。
人間は誰でも相手に認められたい、大事にされたいといった「承認欲求」があります。
それは話をする相手だけではなく、話を聴いている自分も同じです。
ここで大切なのは、話をしている相手を大事に扱うことはさることながら、同時に、いやそれ以上に自分を大事に扱うことです。
自分の感情を押し殺して相手の話を聴くことは、時に自分を傷つけてしまうことにつながります。
相手の話を受け入れ、共感するのに最も大切なことは、聴き手の自分が誰よりもまず人間としての尊厳=大切な人間として扱われることです。そうでなければ、相手からも深い共感や信頼を得ることはできないでしょう。
自分自身を受け入れ、認めることが傾聴=「人の話を聴く」上で一番大事なことです!
事実、前述のロジャースも「受容、共感、一致のうち一番大切なものは何ですか?」とインタビューされた時に、即座に「それは一致です」と答えたそうです。
以上が「聴く技術=傾聴の技法」です。くどいようですが、人の話を聴く技術を磨くだけで世界は変わります。
今日ご紹介した内容は傾聴の技法のほんのさわりのものですが、これだけでも完全にマスターできれば相当聴き上手になれるはずです。具体的な方法は今後、機会があれば書かせていただきたいと思います。
詳しくは「人の話を聴く技術」をどうぞ⇩
因みに凹期にあったボコさんが、近くの図書館から借りてきたものです。これで私は世界が変わりました。
ボコさんが記事にしていますのでよろしければどうぞ。⇩
いかがでしたでしょうか?
ざっと、「聴く技術」についてお話ししてまいりましたが、「こんなの無理だよ!」と感じた方もいるかと思います。なので、ちょっとハードルが高い方と思った方に傾聴のコツをこれからもお伝えしていこうと思います。
本日もご覧いただきありがとうございました。
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