でこぼこよみもの

人生、山ばかりでも谷ばかりでもなく…という、とある夫婦の話

【50代からのサバイバル講座】~「人生会議」とはなんぞや!?老後年金2000万円不足問題に続き発覚した政府と国民の深い溝、そんな時代の生き方とは?~

今、このブログの前の方は「人生会議」という言葉はご存知でしたか?

私は恥ずかしながらテレビのニュースで大きく報道されるまではその言葉自体は聞いたことがありませんでした。要するに「自分の死に方」についてのとこで、「がん末期などの終末期医療の現場で患者本人が意思表示できなくなる前に家族でよく話し合ってより良い最期を迎えよう」という話だったんですね(よくよく調べると実は終末期医療だけに限ったことではないのですが…)。ケアマネージャーをしている関係でこう言った話は研修でしょっちゅう聞いてますし、今まで、私自身も在宅での看取りのケースを多数経験させていただいております。今回はそういった死に方や看取りといった視点ではなく、これからの50代からのサバイバル生活についてのお話を社会問題に絡めながら進めていきたいと思います。では、お目目を拝借!

 

 

以前、私は拙著(11月1日公開「50代からは健康と…」の記事)でこんな提言をしました。 

50代からは自分の身体の「健康」と自分の生活「食い扶持」は自分で守らなければならない。悲しいかな。良し悪しではなく、これが少子高齢化時代の今の日本の現実だ!

実は 今回の「人生会議」問題もその提言と密接に関連があると私は考えています。国や行政は社会保障制度の仕組みづくりをしていますが、それを広く浸透させているとは到底思えません(私は今まで、身近な確定申告や納税について他人に一通りわかりやすく説明できる方にお会いしたことがありません)。しかし、未だに私たち多くの国民は心のどこかに「困った時には国や行政がなんとかしてくれるだろう」と漠然と考えているふしがあります。今回の出来事で改めて国や行政と国民の間の大きな意識の違いや深い溝があると強く感じました。

早速ですが、

結論:これからは老いも若きも自分の身は自分で守る勇気と覚悟、そして情報を自ら取りに行く行動力が必要!

理由:自分の健康だけでなく死に方も自分自身で積極的に考え、選択する時代に本格的に突入したからです。

 

数日前に「人生会議」というもの名称を啓蒙するために作成されたポスターの表現内容を巡って、ある団体が猛抗議をして、厚生労働省が謝罪をしてポスターそのものを使わないことになったとテレビのワイドショーなどで報道されていました。また、今年の6月には金融庁が老後に年金が2000万円不足があるといった旨の内容を発表し、こちらは国会等でも連日、取り上げられました。

www.mhlw.go.jp

www.mhlw.go.jp

ポスターの内容や出来、伝え方などには私も正直、違和感は感じました。ですがそういったことにあまり関心がない、または今、遭遇していない方々に向けられたものだとも私は思いましたので(政府の方でも啓蒙と言っておりますし)、撤回するのもそれはそれでいかがなものかとも感じます。この2つの出来事を通じて、私たち国民一人一人にも少しずつ、且つ、ある意味大胆な意識改革が必要なのかなと思いました。

今は日本の歴史上初めてと言っていい超高齢社会を迎えていて、世界第一の長寿大国となっております。それと同時に少子化も進んでいます。

今、日本は国として大きな目標を失っているようにも思えます。明治維新以来の歴史でいえば戦前までは富国強兵、八紘一宇、戦後は世界に名だたる経済大国といった「西欧諸国に追いつけ追い越せ」が大きな目標でしたが、バブル経済崩壊以降はその目標をどこに設定すれば良いか全体としては読めずに「失われた20年」と表現されたり、「たちあがれ日本」といった政党が誕生したり(今はありませんが)、来年の東京オリンピックですら前回の東京オリンピックの影をずっと引きずっているように私には思えてしまいます。

こういった最近の傾向の根底には「あの頃の日本は良かった」「あの頃に帰りたい」といった思いがまだ社会全体に根強くあるのだなと感じているのは自分だけではないように感じます。家族や親せき、友人そして職場や地域で団結し、協力して生活できていたような幻想があった昭和という時代があって、平成の30年間で時間をかけてそれが徐々に消滅していき、令和になった今年、そういったマインドを大なり小なり引きずっている多くの国民一人ひとりは、この先どう生きていけばよいか、まさに岐路に立たされていると言ってもいいでしょう。

そんな事態に備えて国や行政も手をこまねいていたわけではなく、実は色々と施策を考えて制度として用意はしていたのですが、そういった事実が大きく報道されている印象はなく、国民へもほとんど浸透されていなかったという結果が、今回の「人生会議」問題や6月に起きた「老後2000万円不足問題」という形で露呈しただけに過ぎなかったのです。今回の報道を観る限りでは本質的で具体的な解決策の話はほとんどなく、感情論ばかりが先行しているようにも見え、今後もまた、同じような問題が別な形で現れてくるかと私は思います。

「老後2000万円不足問題」が、「皆さんの平均ですが、多くの方々が老後に2000万円不足しますよ!だから、確定拠出年金やNISAを使って自分の預貯金を使って運用をしてくださいよ。今なら優遇税制も受けられますよ」といった国からのメッセージとしたら、今回の「人生会議」はさしずめ、

「皆さん生前に人生会議をして自分の死に方を決めて下さいよ。病院のベッドで死ぬよりも、できれば自分の家で家族に看取られながら死にたいですよね。そのために今、全国の中学校学区と同じくらいの規模を一つの地区として地域包括ケアシステムというのを作っている最中です。病気の時は病院で、家で介護を受ける時は家で訪問介護や通所介護を受けましょう。どうしても家で見れなくなったら特別に施設をご案内します。元気な時は地域の活動やボランティアにも積極的に参加して、お互いに顔なじみになっておきましょう。いざという時に役に立つはずです。そうしないと、医療費や介護保険料などの社会保障費がどんどん上がって益々大変になりますからね。」といった内容でしょうか。

これが国や行政からのメインメッセージだと私は思ったのですが、いかがでしょうか。因みに文中で出てきた「地域包括ケアシステム」というものは高齢者福祉がメインにはなっておりますが、これからの日本を下支えする重要なインフラに政府はしていこうと考えています。

余談ですが、ケアマネージャーには免許を更新するために法定研修を受ける義務があるのですが、研修の内容はこの考えが基本ベースになっております(ケアマネの立ち位置がここなのかと自分でもビックリしました!身体が持ちましぇ~ん(^^;))。また、地域包括システムを支える人材の質と量とも圧倒的に不足しています。国や行政はそのあたりは全く考慮していません。 今後人材をどう確保するかが喫緊の課題です。

 

地域包括ケアシステムについて 厚生労働省HPより

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/

 https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/images/index01.png

こうした社会の大きな構造の中で自分は何をしていけばよいか、国や政府はあくまでも社会情勢に合わせた形での仕組みづくりしかできず、結局は老いも若きも自分の人生の選択は責任を持って行うしかないというのが現状ではないでしょうか。そのためには自分の健康と食い扶持は死ぬまで自分自身でなんとかしなければならない。そして必要な情報は自ら進んで取りに行かなければならないー厳しいですが、それが現実です。

 

今回の記事はこちらもあわせてお読みいただけると幸いです。⇩ 

www.dekoboko5050.com

 

 

ーまとめー 

これからは老いも若きも自分の身は自分で守る勇気と覚悟、そして情報を自ら取りに行く行動力が必要!

なぜなら、自分の健康だけでなく死に方も自分自身で積極的に考え、選択する時代に本格的に突入したから。

 

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今日は「人生会議」「年金問題」を通して自分が感じたこと、またはこれからどうすればいいのかといった提言をさせていただきました。

 

それではまた、次回までごきげんよう(^_^)/